私達がこれからやるべき事。


それは、光星と摩耶、そして和田先生に連絡を取って、うちの学校のどこかにあるはずの呪物を探すことだ。


あの日、月菜はどこに行ったのか。


どこで、知ってはならない言葉を知ったのか。


今はもう、一分一秒も惜しい。


時間が経てば経つほど、私達の精神は蝕まれ、死を切望するようになってしまうから。


「先生は……若葉、お前先生の連絡先わかるか?」


海琉の家を出て、学校に向かう。


「え、そんなのわかるわけ……あ、海琉、丸山さんに名刺もらってたじゃない」


和田先生は、丸山さんに連絡をしたはずだから、丸山さんは和田先生の連絡先を知っているはず。


「おお、それだ!」


そう言って、手帳型のスマホケースの中に入れていた名刺を取り出した海琉は、そこに書かれている電話番号に電話を掛けた。


朝早い時間、それも日曜日だから、丸山さんが起きているかどうかもわからないけれど。




『うん?丸山ですがどなたかな?』



「あ、丸山さん!?俺っす、俺俺!」


まるでオレオレ詐欺みたいな言い方だよ海琉。


『貴様っ!!オレオレ詐欺だな!?残念だったな、俺は花の独身貴族だ!俺などという身内はおらんわっ!』


なんか、丸山さんは返しもパワフルだな。