小鳥のさえずり、暖かな光、心臓は無事かと、自分の胸を擦りながら、私はソファの上で目を覚ました。


海琉の家、室内を見回しても、私と海琉の姿しかなくて。


隣で寝ていたはずの摩耶の姿も、光星の姿もなくて。


「……まだ温かい。私より早く起きて出て行ったんだ」


摩耶が座っていた場所に手を当てると、ほんのりと温もりが残っている。


起きたばかりなのに、今にも気を失いそうなほどの眠気に襲われる。


悪夢は……終わらなかった。


何が間違っていたのか、夢の中で海琉と話した通り、私達だけでも学校に行かないと。


月菜がどこに行かなければならなかったのか、そこで呪物を手にしてしまったのか。


考える事は色々あるけれど、それよりも夢の中で最後に見た、あの白い物。


進波音や月菜とは違う。


見付かってしまった時点で殺されてしまう絶望感を与えられる。


それほどヤバい白い物だと、身体で感じてしまった。


「うっぎゃあああああああっ!!痛えっての!ちくしょうが!」


「う、うわっ!」


突然聞こえた海琉の叫び声に、私は思わず声を上げてしまった。


その反応から察するに、あれは海琉の出口ではなくて、進波音か月菜、もしくは両方に殺されたんだろうな。