「いや、マジで何が何だかわからねぇ……若葉、大丈夫か?」


海琉にそう尋ねられたけれど、私は放心状態で。


気付いた時には、ポロポロと涙を流していた。


「な、何で……終わったんだよね?ルーズリーフもノートも還したし、私達はもう悪夢を見ないはずなんだよね?」


「おい、しっかりしろ。まだ終わってねえってことは、何かを間違えたってことだろ。気をしっかり持てよ。俺一人じゃ考えがまとまらねえよ」


頬をパシパシと叩かれて、その刺激で少し落ち着きを取り戻した。


正直、絶望しか感じないけれど、何が間違っていたのかを考えるくらいは出来る。


「う、うん。ごめん。私、諦めかけてた。何が間違ってたか……」


強烈な眠気の中で、必死に思い返してみる。


月菜のノートと進波音のルーズリーフ……。


「……あれ?」


「何だ?何か思い出したか?」


慢性的に強い眠気に襲われていたから、単純なことを一つ見逃していたかもしれない。


「ねえ。月菜はどこで『知ってはならない言葉』を知ったのかな?進波音のルーズリーフなんて、あの廃校舎に行かなきゃ見られないでしょ?月菜がわざわざそんなことをするはずないし……」