「……え?」
私は目を覚ましてそう小さく呟いた。
いや、目を覚ましたわけじゃない。
私はまだあの廃校舎にいた。
「な、何で!?何でよ!もう終わったんじゃないの!?あの先生、嘘ついたの!?」
私の横で、同じように目を覚ました……いや、この悪夢を見ている摩耶が、半狂乱で声を上げた。
「うぉぃっ!?ふざけんじゃねぇぞ!何でまだここに!」
「はは……もう、何がなんだか」
海琉、そして光星の姿も見える。
どういうことなの?
私達がやれることは全てやった。
そりゃあ、上手く行きすぎってほどに上手く行ったと思うけど。
それでも何度も死を味わいながら、ゴールに辿り着いたはずなのに。
「も、もう嫌!終わると思ったから、最後だって信じたから頑張ったのに!!何でまだ続いてるのよ!ふざけないでよ!私達になんの恨みがあってこんなことさせられてるのよ!!」
髪を振り乱して叫ぶ摩耶。
もう耐えられないのだろう。
どこへ行こうというのか、半狂乱のまま教室から飛び出して行ってしまったのだ。
「ま、摩耶!!待て!」
光星も、そんな摩耶を追って教室を出て行った。