先生の小さな訴えを無視し、私達は校舎の中を歩き始めた。
まずは、音楽室がある校舎の方から調べようとのことで、私達は西側から、光星達は東側から移動。
「こうして移動してる最中も、教室の中を見るんだよ。机があるかもしれない」
「言われなくたってわかってるっすよ。それより先生、ルーズリーフを見付けたとして、どうやってそれを処分するんすか?寺とか神社に持って行って、お祓いとかしてもらうんすか?」
ジャリジャリと、足元に散乱するガラスや天井を踏み付けて歩いている中、海琉が先生に尋ねる。
「いや、正直に言うと、どうすれば良いかは僕にもわからないんだ。波音にしても早瀬さんにしても、僕達の前に現れるということは成仏出来ていないってことだから。呪物に魂を囚われているとでも言うべきなのかな。その呪いの鎖を断ち切ってやれれば……」
「そ、そんな。じゃあ、ルーズリーフを見付けても処分する方法がないってことなんですか?」
私の質問には答えない。
多分だけど、ここで「方法はない」とでも言ってしまうと、今、ここでルーズリーフを探している状況ですら意味がないものになってしまいそうだから……じゃないかな。
まずは、音楽室がある校舎の方から調べようとのことで、私達は西側から、光星達は東側から移動。
「こうして移動してる最中も、教室の中を見るんだよ。机があるかもしれない」
「言われなくたってわかってるっすよ。それより先生、ルーズリーフを見付けたとして、どうやってそれを処分するんすか?寺とか神社に持って行って、お祓いとかしてもらうんすか?」
ジャリジャリと、足元に散乱するガラスや天井を踏み付けて歩いている中、海琉が先生に尋ねる。
「いや、正直に言うと、どうすれば良いかは僕にもわからないんだ。波音にしても早瀬さんにしても、僕達の前に現れるということは成仏出来ていないってことだから。呪物に魂を囚われているとでも言うべきなのかな。その呪いの鎖を断ち切ってやれれば……」
「そ、そんな。じゃあ、ルーズリーフを見付けても処分する方法がないってことなんですか?」
私の質問には答えない。
多分だけど、ここで「方法はない」とでも言ってしまうと、今、ここでルーズリーフを探している状況ですら意味がないものになってしまいそうだから……じゃないかな。