しばらくして、眠気もピークに達しそうになった時、車は止まって先生が外に出た。


私達もそれに続いて外に出ると、目の前には「関係者以外立入禁止」と書かれた看板がかけられている門。






「さあ、着いたよ。ここがキミ達が夢に見ていた廃校舎……僕と波音の母校だ」






その言葉を聞いて驚く私達。


特に摩耶の驚きようは酷くて。


「な、なんでこんな所に連れて来るのよ！わかった！初めて会った時から怪しいと思ってたんだ！私達をここに連れて来て、白い物に生贄にでもしようと思ってるんでしょ！そうはさせないから！殺される前にあんたを殺してやるんだから！」


もはや摩耶ではないような表情を浮かべて、光星の手を振り切って和田先生に飛び掛かった。


でも……摩耶は和田先生に危害を加える前に、身体を抱え上げられて、宙でジタバタともがくだけ。


運転をしてくれた丸山さんが、摩耶を止めてくれたのだ。


「ありがとう丸山。僕は大丈夫だから。雛木さんを放してあげてくれないか」


「……ノブリンがそう言うなら」


そう言って摩耶を放すと、腕組みをして摩耶を見下ろした。


何をしようと、和田先生に手出しはさせないという雰囲気が漂っていたけど、私が驚いたのはそこじゃない。


本当に、和田先生はノブリンと呼ばれていたんだということだった。