慌てて月菜の家を飛び出し、皆我先にと走りだす。


しばらく走って、立ち止まった海琉は私達を見て怒鳴りつけた。


「な、なんだよありゃあ!! ありえねぇだろ！ 早瀬は！ 早瀬は……死んだんじゃなかったのかよ」


声がどんどん小さくなっていくのがわかる。


「海琉も見たでしょ。絶対に死んでたよ！ でも、月菜のお母さんには見えてなかったみたいだし。私達だけ見えてたってこと!? ありえないんだけど！」


摩耶も恐怖を感じているのか、顔を歪ませて必死に首を横に振っている。


私も……怖くて、声すら出せない。


何かを言えば、もしかしたら月菜が追い掛けてくるんじゃないかとか、もっと悪い事が起こるんじゃないかとか考えてしまっている。


「お、落ち着け！ 考えることを止めるな！ 事象の全てには、必ず原因があるはずだ！」


なんて言っても、光星自身もパニックになっているようで、ただ冷静を装っているだけだというのがわかる。


「お前はアホか!? 何が原因で早瀬が動き出すんだよ！ 俺達にしか見えてねぇって、絶対に幽霊だぞあれ！」


「落ち着けって言ってるだろ海琉!! 原因なんて一つしかないだろ……俺達四人が同時に早瀬の幽霊を見たんだ。俺達四人がした事なんて一つしか考えられない」