「あの白い物……早瀬は、ずっと見てても襲ってきたっすよ。どうなってんすか。あんなのどうしようもないすよ」


「そうだね。波音が来たと思ったら早瀬さんだった。全身の骨を折られるのは……本当に苦しかったよ」


先生にも何が何だかわかっていない様子だから、これ以上月菜のことを聞いても仕方ないか。


こうして話をしていても眠くて、気を抜いたら眠ってしまいそうだ。


そんな中で、何だか怒鳴るような声が聞こえ始めたのだ。





「離して!離してよ!あんたはなんで私にずっと付き纏ってんのよ!もうどこか行ってよ!私に付き纏わないで!離して!」





摩耶の声……かな?


少ししゃがれているから、確実に摩耶だとは言えないけど、この感じはそんな気がする。


「ほら、落ち着けよ!大丈夫だって言ったろ!?もうすぐ終わる……先生が、もうすぐ終わらせてくれるから!」


「あの気持ち悪い先生に何が出来るってのよ!離して!私はもう寝たいの!この眠気をなくしたいのに!!」


「だから!今寝ても眠気はなくならないだろ!寝たら殺されるだけだ!」


光星は、ずっと摩耶に付いてたのだろうか。


あんなに言われて、それでも必死に宥めて。


自分だって眠いはずなのに。