「早瀬だと?んん……言われてみればそんな気もするけどよ。早瀬が白い物になったのか?それにしても白い物を見てれば動きは止まるんだろ!?あいつ、平気で動いてたぞ!」


そんなこと言われたって私にはわからないよ。


でも、あのブレザーはうちの学校の制服だし、髪の長さとか顔のホクロの位置まで同じだったから。


「……違うんじゃないの?今まで見てた白い物と、月菜の白い物は」


「そんなふざけた話があるのかよ……どうすりゃいいんだよこれ」


「学校に……行くしかないよ。和田先生が私達をどこに連れて行こうとしてるかはわからないけど、先生を信じるしかないよ」


海琉の不安は痛いほどわかる。


視線を逸らさなければ動かない白い物は文字通り、視線を逸らさなければ何とかなるはずだったのに。


それが通じない白い物……月菜が現れたことによって、どうしようもない事態に陥っているのではないかと思ってしまう。


「私、一度家に帰るよ。制服が汗だくだし、着替えたいから」


「大丈夫かよ。待ってろよ、俺も一緒に行くからよ」


そう言って立ち上がった海琉は、二階に上がって行った。


すぐに服を着替えて戻って来た海琉と一緒に家を出た私は、自宅に帰る為に移動を始めた。