「キミ達が見た、『知ってはならない言葉』だけどね。あれはなんだと思う?」


「いや、そんな話をしてる場合じゃないんすけど……」


「大事な事なんだよ。『ミシナンネ』という言葉にはどんな意味があるかわかるかい?」


言葉の意味……光星は『見死難寝』って言っていたから、特に疑問も持たずにそう思っていたけど。


そもそも言葉の意味なんて今となってはどうでもいい。


知ったところでこの悪夢から逃れられるわけじゃないんだから。


「見ると死ぬ、寝るのが難しい。だから『見死難寝』だって光星が言ってました。並べ替えると『皆死ね』になるとも摩耶が言ってましたけど。でも、それがどうかしたんですか?」


私がそう言うと先生はフフッと笑って見せて。


「『見死難寝』に『皆死ね』か。なるほど意味は通じるね。だけどそうじゃない。ミシナンネ……あれは、キミ達が白い物と呼ぶ僕の同級生の名前、進波音(シン ナミネ)のアナグラムなんだよ。だからこそこの悪夢は、彼女の怨念が作り上げたんだと確信しているんだ」


進波音……それがあの、白い物の名前。


先生の話が本当だとすると、「ノロイユメ」をいじめられていた進波音の怨念が作ったというのもわからない話じゃないのかな。