近くには白い物はいないみたいで、ピアノの音が調子よく鳴っている。
まずは出口を探すことが最優先なんだけど、明らかに他の場所とは違う、音楽室のあるあの校舎の三階。
「ねぇ海琉。あっちの校舎の三階について来てほしいんだ。ほら、昼間に言ったでしょ?ピアノの音が大きくなった場所があるって」
「ああ、言ってたな。特に理由なんてないと思うけどよ、若葉が気になるなら行ってもいいけど」
問題は、白い物に見付からずに辿り着けるかということだよね。
夜になると外は真っ暗……と言うよりも、暗闇という物質が包み込んでいるという感じさえする。
だから、反対側の校舎は見えないし、白い物がいたとしてもこちら側もきっと見えない。
注意すべきは、暗い廊下で遭遇しないかどうか。
こんなに目がかすむのに、万が一遭遇した時にその姿を捉えることが出来るかどうかは疑問だ。
それでも、行ってみるしかない。
「行くよ、海琉」
「おう」
ここが何階なのかは、外が見えないからわからない。
廊下の形で判断するしかないのだけれど、渡り廊下がないし、階段までやって来ると上り階段がないから、三階なんだなと思って、下り階段を下りた。
まずは出口を探すことが最優先なんだけど、明らかに他の場所とは違う、音楽室のあるあの校舎の三階。
「ねぇ海琉。あっちの校舎の三階について来てほしいんだ。ほら、昼間に言ったでしょ?ピアノの音が大きくなった場所があるって」
「ああ、言ってたな。特に理由なんてないと思うけどよ、若葉が気になるなら行ってもいいけど」
問題は、白い物に見付からずに辿り着けるかということだよね。
夜になると外は真っ暗……と言うよりも、暗闇という物質が包み込んでいるという感じさえする。
だから、反対側の校舎は見えないし、白い物がいたとしてもこちら側もきっと見えない。
注意すべきは、暗い廊下で遭遇しないかどうか。
こんなに目がかすむのに、万が一遭遇した時にその姿を捉えることが出来るかどうかは疑問だ。
それでも、行ってみるしかない。
「行くよ、海琉」
「おう」
ここが何階なのかは、外が見えないからわからない。
廊下の形で判断するしかないのだけれど、渡り廊下がないし、階段までやって来ると上り階段がないから、三階なんだなと思って、下り階段を下りた。