「いつつ……はっ!白い物!!」



私が目を開けると、そこは学校だった。


当然、夢の中の廃校舎の方。


「そ、そんなのアリなの?白い物に押し倒されて……頭を打って気を失ったのかな」


ピアノの音も聞こえるし、夢の中独特の雰囲気がある。


私、もう40時間くらい眠れてない感じなんだな。


目の前がかすむし、それでいて眠気が凄い。


「出口……探さなきゃ」


もう、注意力もなくなっている気がする。


教室の中を歩き、廊下に出ようとすると……。


突然肩に感じた手のような感覚に、私はビクッと身体を震わせた。


「きゃあああああああっ!」


小さな悲鳴を上げて振り返ってみると。


「シッ!シーッ!バカ!白い物に気付かれんだろ!」


そこにいたのは……海琉?


え?


なんで?


もしかして海琉も白い物に襲われて?


「ど、どうしてここにいるの!?まさか……」


「お前が壁に頭打って倒れてよ。でも、寝息立ててたからまずいと思ってな。俺のせいでこうなったんだから、若葉一人にさせるわけにはいかねぇだろ」


少し照れたように頭を搔いて、視線は上を向く。


もしかしてそんなことで眠ったの!?


「もう、バカなんだから」


でも、海琉のその気持ちは嬉しかった。


私一人では心細かったから。