「何?何が気になったの?」


ぼんやりする頭で何も考えられないけど、話くらいはまだ聞ける。


「いやな、あの先生よ。あの曲は先生と同級生のオリジナルだって言ったよな?だったら何で、夢の中であの曲が流れてんだよ?」


あー、そう言えば、なんかのらりくらりとかわされて、その答えは聞いてない。


あの時も頭が回らなかったから、その事に気付いてさえいなかったけど。


「何でだろうね。先生も私達と同じ悪夢を見てたわけでしょ?だから、それから逃れる為に印を剥ぎ取ったって言ってたし」


「……だったら、夢の中でピアノを弾いているのは同級生の方か?それにしたってわからねぇか。なんだってそんな同級生がこんな『ノロイユメ』なんてものを見せられるかって話だからな」


もしかして、その同級生が白い物かもしれないと言おうとしたのかな。


でも、それは海琉が言った通り、そうだとしたら先生の同級生がどうしてこんな悪夢を見せられるのかがわからない。


仮にそうだったとしたら、先生はやはり何か知っているということになるよね。


可能性は色々考えるべきだと思うけど、猛烈に眠いこの状況では、これ以上考えることは出来なかった。