それから、どれくらい経っただろうか。


お昼になってお弁当を食べたけど、それが最大の間違いだったことに私と海琉は気付いた。


物凄く……眠い。


食事の後にはどうしてこんなに眠くなるのか。


それはわかっていたけど、どうしてもお腹が空いて食べてしまった。


「おい、若葉!寝るんじゃねぇぞ!」


ペチペチと頬を叩かれ、感じる痛みに重い瞼を無理矢理開ける。


「はっ!危ない危ない……眠っちゃいそうだったよ」


「こりゃあ、メシも食わない方がいいな。ほら、早瀬がメシを食わなかったって、おばさんが言ってただろ?食わなかった理由がわかった気がするぜ」


本当はお腹が空いてたまらなかっただろうな。


でも、食べてしまえば眠くなる。


眠れば殺される可能性がある。


そして現実で狂う……か。


「不眠不休で何も食べられない……こんなの、死ぬのを待ってるだけだよね。明日、どうにかなるかもしれないって希望がなかったら……」


そう考えると月菜が死んだ理由がわかるよ。


死因は聞いていないけど、夢で死んでも現実では死んでいないから、多分自殺なのだろうというのはわかる。


「あれ?そういや気になったんだけどよ」


私の隣に座っている海琉が、コーヒーを一口飲んで不思議そうな顔を向けた。