忙しいと思っていたから、お別れはお通夜の時にと思っていたけど、三人と相談して家に上げてもらうことにした。


お通夜の準備はおじさんや親戚の人達がやってくれているようで、おばさんは留守番をしているとのことだった。


「月菜ちゃん。若葉ちゃん達が来てくれたわよ」


おばさんに案内されたのは、一階の和室。


そこには、布団の中で眠る月菜の姿があった。


おかしくなってしまう前の、明るく優しかった頃の月菜がそこにいたように感じて……なぜだか私は安心した。


それは三人も同じだったようで、白い布が顔にかけられた月菜の横に座り、手を合わせた。


「この子、ここ数日寝てなかったのよ。何も食べずに、ずっと起きてたみたいで。それで、昨日やっと眠ったと思ったら……うう……」


「ずっと……寝てなかったんですか?」


「え、ええ。何かを怖がってたみたいだったわ。それが、まさかこんな事になるなんて……」


おばさんを見ていると、どうして死んだのかとか、何に怖がっていたのかとか、聞けるような雰囲気じゃない。


悲しんでいるのに、それを思い出させるような事を聞くのは、なんだか悪い気がしたから。