「ひぎゃあああああああっ!!痛い……痛いいいいっ!」


ボタボタと落ちる血を手で受け止めながら、その場に膝をついて悶える。


耐え切れないほどの鋭く刺すような痛みに、頭がどうにかなってしまいそうだ。


「お、おい!若葉!何がどうなってるんだよこれ!しっかりしろ!」


海琉が私を抱えて、歩道まで移動させてくれた。


でも、痛すぎてそれどころじゃない。


「顔が……顔が……助けて!痛いよ!痛い!」


ダラダラと身体を伝って流れる血。


手も真っ赤で、それを見ると、私がいかに大怪我をしているかがわかる。


でも……。


「はぁ?顔がどうしたってんだよ。いつもと変わらねえだろ?それなのに道の真ん中でいきなり叫びやがって……お前も摩耶みたいにおかしくなったのかよ」


海琉にそう言われて……私の顔の痛みは、嘘のように引いて行ったのだ。


手についていたはずの血もなくて。


顔を触ると、皮膚を剥がされた場所も……何ともなかった。


「あれ……あれ!?なんで……でも、良かった……白い物が目の前に現れて、私の唇を噛んで、そのまま顔の皮膚を剥がされたんだよ!」


「は、はぁ?白い物?そんなのいねぇだろ。夢の中じゃねぇんだしよ」