ぼんやりとした頭で、海琉と一緒に道を歩く。


今頃、摩耶と光星はどうしてるのかなとか、眠ったらまたあの夢を見ちゃうから嫌だなとか考えているけど、歩いているおかげで眠らなくても済みそう。


「ところでよ、お前はあの先生の言うことをどう思ってる?」


「どうって?あぁ、明日どこかに連れて行ってくれるって話?」


「そうだ。怪しくねぇか?俺達を『ノロイユメ』から本当に助けてくれるのかよ。もしもそうじゃねぇなら、何をしようとしてるんだよ」


うーん。


何をと言われると、何も教えてくれてないからわからないんだよね。


それは皆だってわかってるだろうし、今はそれに頼るしか方法がないんだって。


「そんなのわからないけど……あ、ほら海琉、信号青だよ」


二人してぼんやりしていると、信号が変わった事にも気付くのに時間がかかるよ。


大勢の人が歩く横断歩道。


もうすぐで道を渡り切れるというところで……私の目に信じられない物が飛び込んで来た。






黒いセーラー服……白い顔……気味の悪い笑顔。






人混みに紛れて、それが睨み付けるようにして、私を見ていたのだ。