「プハッ!ハァ……ハァ……」


息苦しさに目を覚まし、呼吸を乱して辺りを見回した。


「おいおい神崎。授業が始まったばかりだってのに、いきなり居眠りか?夜にしっかり寝ろよ」


浜村先生に目ざとく見付けられて、呆れたように声を掛けられた。


……あれからどれくらい経ったのか。


いや、摩耶と同じなら、ほとんど時間は経っていない。


壁にかけられてる時計を見ても、授業が始まってまだ5分。


眠気がなくなるわけでもなく、変わらない眠気が身体を包み込んでいる。


唯一の救いは、白い物に殺されなかったこと。


……そう言えば、出口から出る時に、白い物に腕を掴まれた。


ギリギリセーフだったのだろうけど。


そう考えながら右の袖を捲ってみると……。


「!?」


そこには、くっきりと青黒いアザのようなものが付いていたのだ。


白い物に噛み付かれたら印が付くけど……こんなのは初めてだ。


でも、夢の中で裸足で歩いていたら、足の裏を怪我をしていたし。


物凄い力で掴まれたんだろうな。


なんてダメだ。


こんなにのんびり考えてたら、またいつの間にか眠ってしまう。


月菜や摩耶のようにノートに何か書こうと思ったけど、手の甲でもつねった方が眠気が覚めるような気がして。


私は自分の手の甲をつねった。