「うわぁ……ここの廊下は特に酷いよ。壁まで崩れてる」
何個か教室を調べて、一番端の教室の前。
パッと見で出口がないことはわかって、今来た道を引き返す。
頼る人はいない。
助けてくれる人もいない。
白い物に見付かってしまえば、一人でどうにかするしかないという緊張感だけは、いつもより強く感じる。
それにしても、夜とは大きく違う点がある。
廊下から見える景色が、夜とは違い、反対側の校舎が見えるのだ。
夜は真っ暗で、何も見えなかったのに。
「中庭も見える。凄い雑草だけど」
などと考えていた時だった。
背筋にゾクッと感じた強烈な悪寒。
ピアノの音はまだ聞こえているのに……どうして?
そう思って見上げた向かい側の校舎。
その三階の教室に、真っ白な顔でニタリと笑う白い物がいて……私を見ていたのだ。
目が合った瞬間、全身が死の恐怖に怯えるのがわかる。
まだ距離があるから逃げなきゃと思うけど……目を逸らせば動き出す。
それも、恐ろしい速度で。
どこに逃げれば良いのか、どうすれば助かるのか。
ゆっくりと横に移動しながら、目を逸らさないように考えた。
何個か教室を調べて、一番端の教室の前。
パッと見で出口がないことはわかって、今来た道を引き返す。
頼る人はいない。
助けてくれる人もいない。
白い物に見付かってしまえば、一人でどうにかするしかないという緊張感だけは、いつもより強く感じる。
それにしても、夜とは大きく違う点がある。
廊下から見える景色が、夜とは違い、反対側の校舎が見えるのだ。
夜は真っ暗で、何も見えなかったのに。
「中庭も見える。凄い雑草だけど」
などと考えていた時だった。
背筋にゾクッと感じた強烈な悪寒。
ピアノの音はまだ聞こえているのに……どうして?
そう思って見上げた向かい側の校舎。
その三階の教室に、真っ白な顔でニタリと笑う白い物がいて……私を見ていたのだ。
目が合った瞬間、全身が死の恐怖に怯えるのがわかる。
まだ距離があるから逃げなきゃと思うけど……目を逸らせば動き出す。
それも、恐ろしい速度で。
どこに逃げれば良いのか、どうすれば助かるのか。
ゆっくりと横に移動しながら、目を逸らさないように考えた。