しばらくそれを見ているとチャイムが鳴り、担任の浜村先生が教室に入って来て。


「授業を始めるぞ。ほら、席に着け!」


「やっべぇ……浜村の現国かよ。さっさと逃げておくんだったぜ」


海琉が苦虫を噛み潰したような顔で、しぶしぶ席に着く。


浜村先生は普段は優しいけど、授業をサボったりすると凄く怒って、同じ内容の退屈なお説教を延々と繰り返すから。


ここは大人しく授業に出た方が良さそうだ。


光星も、摩耶を心配しながらも自分の席に着いて。


出席確認の後、授業が始まった。


授業が始まってまだ五分も経ってないけれど……眠い。


窓際の席で、陽の光が当たってポカポカする。


これはまずい……本当に寝ちゃう。


ノートに何かを書いて眠気を紛らわせないと。


そう考えながらも、瞼は重くてどんどん下がってくる。


ダメ……寝ちゃダメ……。


起きなきゃダメ!


強く心の中で呟いて、目を開けた時……既に景色は変わっていた。


クラスメイトがいた教室は、埃と蜘蛛の巣、そして崩れた天井とガラスが散乱する廃校舎。


私は古びた机に突っ伏していた。


「え、う、嘘でしょ!?寝ちゃったの!?」