「くっ!覚えてろよ!」


「眠いから無理だな。すぐ忘れるわ」


慌てて駆け出した光星を見送り、私は海琉と二人になってしまった。


「俺達はどうする?話は終わったし、ここにいても摩耶みたいに寝ちまうかもしれねぇ。寝ないように動き回るか、早瀬みたいにずっと何かを書き続けるか」


「私さ、思い出したんだけど。月菜って授業中、突然叫んだりしたことあったじゃない?それってさ……書いてても眠っちゃって、白い物に殺されて目が覚めた……ってことじゃないの?」


今の摩耶の姿を見て、その時の月菜と同じように感じてしまった。


「ん……待て待て。じゃあ何か?俺達は早瀬が寝ないようにノートを書き続けてて、寝てないって思ってたけどよ。そんな事をしてても寝てたってことかよ」


「そうだと思う。摩耶は月菜の首に印があったって言ってたけど、もしかしたら服の下は印でいっぱいだったのかも」


それでも、月菜にとってはそれが一番眠くならない方法だったのかもしれないけど。


「じゃあどうするんだよ。動き続けて眠らないようにするか?」


それも良いんだけど、それだと疲れて眠くなっちゃうかも。


考えても答えは出ないけど、ここにいても眠くなりそうだから、移動しないと。