歩きながら、光星はスマホを片手に頭を搔いている。
「ミシナンネ」の意味を考えているのだろう。
いつの間に撮ったのか、あのノートの一ページ目の写真とにらめっこしながら。
「光星は真面目だよな。わからないのが気持ち悪いからってよ。でもまあ頑張ってくれよ。俺はそんな言葉の意味なんて考えたくもねぇから」
「俺だって考えたくはないんだぞ!? だけど、あの早瀬があんなになってまで書いていた言葉だ。それに……皆『アレ』を感じたんだ。『アレ』が何だったのか、海琉は説明できるのか?」
「……知らねぇよ。確かに隣にいたのに、顔を上げたらいなくなってたんだからな。まさか、昼から幽霊でも見たって言うのか?バカバカしい」
海琉は、きっと不安を紛らわせようと必死なんだろうな。
無理もないよね。
今まで、こんな不気味な経験なんて一度もしたことがないんだから。
それはきっと海琉だけではなくて、摩耶や光星もそう。
もちろん私もそうだ。
「ねえ、もう考えるのやめない? 私、この件には関わりたくないよ。だって怖いじゃない」
私も摩耶の意見には賛成。
深く考えるということは、もしかしたら知らなくてもいいことにまで辿り着いてしまうかもしれないから。
だけど、この時私達は、既に知らなくてもいいことを知ってしまったことに、まだ気付いていなかった。
「ミシナンネ」の意味を考えているのだろう。
いつの間に撮ったのか、あのノートの一ページ目の写真とにらめっこしながら。
「光星は真面目だよな。わからないのが気持ち悪いからってよ。でもまあ頑張ってくれよ。俺はそんな言葉の意味なんて考えたくもねぇから」
「俺だって考えたくはないんだぞ!? だけど、あの早瀬があんなになってまで書いていた言葉だ。それに……皆『アレ』を感じたんだ。『アレ』が何だったのか、海琉は説明できるのか?」
「……知らねぇよ。確かに隣にいたのに、顔を上げたらいなくなってたんだからな。まさか、昼から幽霊でも見たって言うのか?バカバカしい」
海琉は、きっと不安を紛らわせようと必死なんだろうな。
無理もないよね。
今まで、こんな不気味な経験なんて一度もしたことがないんだから。
それはきっと海琉だけではなくて、摩耶や光星もそう。
もちろん私もそうだ。
「ねえ、もう考えるのやめない? 私、この件には関わりたくないよ。だって怖いじゃない」
私も摩耶の意見には賛成。
深く考えるということは、もしかしたら知らなくてもいいことにまで辿り着いてしまうかもしれないから。
だけど、この時私達は、既に知らなくてもいいことを知ってしまったことに、まだ気付いていなかった。