「お、おい!摩耶!起きろ!寝るんじゃない!」


そんな中、慌てた様子で光星が声を上げた。


私の隣で、壁に持たれて目を閉じていた摩耶の肩を揺すっていたのだ。


「!?ああああああああぁぁぁっ!!痛いよ……痛いっ!!」


弾かれるように瞼が開いて、突然苦悶に満ちた表情に変わった。


そして……右の膝に浮かび上がった例の印。


「嘘だろ……ほんの一瞬だろ。摩耶が寝てたとしてもよ!それなのになんでだよ!」


「はぁ……はぁ……い、一瞬?ここは……学校?何がどうなってるの!?私、諦めちゃダメだと思って、かなり長い時間頑張ったのに!」


混乱しているようで、ここが学校だと信じられない様子。


辺りを見回し、私の顔をマジマジと見詰めて、ようやくあれから全く時間が経っていない事を理解したようだ。


「なんで私だけ三回も!!こんなの無理だよ!寝ないなんて絶対に無理!!」


「落ち着いて摩耶!辛いよね、苦しいよね。だから、寝ないように頑張ろう」


私が摩耶の肩を掴んで、落ち着くように説得してみるけれど……摩耶は眉間にシワを寄せて、私の手を払って立ち上がった。


「だったらどうして起こしてくれなかったのよ!皆と一緒にいても、寝ちゃったら意味がないじゃない!!」