白い物を迷いなく「幽霊」と言った。


先生が「白い夢」……いや、「呪い夢」から抜け出せたというのも、まだ半信半疑だったけれど、その言葉で確信に変わった。


この先生は、本当に抜け出したんだって。


「セーラー服を着ている、肌が真っ白な幽霊です。気味の悪い笑みをずっと浮かべていて……思い出すだけで恐ろしい」


「そうか、彼女はまだ悪夢の中にいるのか。それで?キミ達は夢の中でどこにいたんだい?僕の予想だと、この学校の夢を見ているんじゃないのかい?」


「い、いえ……見たことのない学校です。造りは説明出来ませんけど……」


まあ、光星は初日も二日目も、移動距離はほとんどないはずだからわからないよね。


私もそれほど動き回ったわけじゃないから、どんな校舎かと言われたらわからないんだけど。


「結構広い学校すよ。廊下がめちゃくちゃ長いし、結構変わった造りをしてたっすよ」


光星の代わりに、海琉がそう言うと、先生は少し驚いたようで。


「そうか。思い出したよ。うん。僕が出来ることはまだありそうだ」


何を思ったのか、先生はそう言うとノートをさらに捲り、あの知ってはならない言葉を目にしたのだ。