私と海琉が話をしていると、その話が聞こえていたのか、光星と摩耶が私の席までやって来た。


「俺の勘違いじゃなかったのか……あのノートを捲った時にいた四人が同じ物を『感じた』ってわけだな」


「やだ、なんか怖いんだけど。大丈夫だよね? 私達も月菜みたいにならないよね?」


結局私達は、四人で月菜のお通夜に行く為に学校を後にした。


と言っても、それは建て前で、本当はこのノートを早く手放したかっただけかもしれない。


「早瀬みたいになるかどうかなんてわからねぇよ。ああなるなんて想像も出来ねぇ。にしてもなんだありゃあ。ビッシリ何か同じ文字が書かれてたよな?」


「文字……だったのあれ? 記号か、何かのマークみたいな感じだったけど」


私があのノートを持っているけど、誰も確認しようとは言い出さない。


あの時見た文字を必死に思い出そうと、考え込んでいる。


それほどに、このノートは不気味だったから。


皆考えているようだけど、私は読めてしまったから。







「……ミシナンネ。確かそう見えたんだけど」







私がそう言うと、皆納得したように顔を見合わせた。


「それだ。『ミシナンネ』だ」


「何? ミシナンネって。どういう意味なのそれ」


摩耶が当然のように光星に尋ねたけれど、その答えはわかるはずがなかった。