「やったな。アイリス!!俺達の子だ」

「は、はい。でもいいのでしようか?」

私は、騎士だし……それに
陛下の子を産んでもいいのだろうか?
何だか大臣の言葉を思い出してしまい
凄く嬉しい……嬉しいけど不安になってくる。
反対とかされないかしら?

「何を言っているんだ。いいに決まっているだろ。
お前は、ヒルストン伯爵の令嬢なんだし
そのために日々。俺は、頑張ってきたんだ!」

頑張ったって何を……?
私は、不思議そうに陛下を見た。
すると陛下は、ニヤリと笑う。

「アイリス自身も周りも身分を気にしていたからな。
だが、お腹に俺の子が居れば話は別だ。
次の跡継ぎ候補をお腹に宿しているのなら
周りも無下には、出来まい」

えぇっ……!?

「ルチア。お前……そのためにアイリスに
セクハラまがいの事をやってきたのか?」

リュウ様がそう言うと陛下はキッパリと
「当たり前だ。アイリスに好きになってもらわないと
いけないから日頃からアピールと環境を整えていたんだぞ。子作りには、1番大事だからな」と
得意気にそう言ってきた。

おい……そういう問題か!?
えっ……じゃあ、日頃のセクハラ行為は、
全て私を妊娠させるために仕組んでいたの?
自分の子を産ませて結婚するために。

「伊賀を仲間につけたり、何やかんやとありながらも
どさくさに紛れて国をもう1つ手に入れたり……本当。
お前って、とんだ策略家だな。
要領がいいと言うか頭が切れると言うか」

リュウ様は、呆れながらそう言った。
私は、唖然としていた。リュウ様と同意見だ。
陛下は、やっぱり食えない男だった。
1番何を企んでいるのか分からない。

「策略家とは、失礼だな。
せめてハイスペックとかにしてくれよ」

「自分で言うなよ」

アハハッ……」

嬉しそうに陛下は、笑った。
私は、まんまと陛下の思惑に引っかかってしまった。
だがそれでもいいと思えるのは、好きだからだろう。