「変態!」
「はぁ? 僕が?」
「そう!」
「そんなつもりはない」
馬鹿馬鹿しくなり、鼻で笑う。
「笑わないでよ! 馬鹿!」
頬を膨らませ、莎奈匯は僕を自分へと引き寄せる。
「えっ!」
勢いで僕は莎奈匯に覆い被さる形で倒れ込んでしまう。
その距離、わずか数センチ。
莎奈匯は体勢を変えず、そのまま質問を続けた。
「本当に、彼女できたの?」
「……まあな」
「そうなんだ……」
僕の真剣な表情を見つめ、首に回されていた莎奈匯の腕の力が弱まる。
「……蓮の、彼女のこと知りたいな」
消えそうな声に、僕は疑問を抱きながら頷く。