「……蓮が笑った」
「え?」
「もしかして彼女できた?」
莎奈匯の言葉にドキリと跳ねる心臓。
「は?」
莎奈匯は僕をジッと見つめ、真剣な表情で質問をする。
第二ボタンまで大きく胸元が開いたシャツは彼女が眠る時の姿なのだろう。
目のやり場に困りながら、僕はジッと莎奈匯の言葉を聞いていた。
「彼女できたんでしょ? わたし、蓮の笑った顏初めて見たもん」
「はいはい。どうでもいいだろ、そんなこと。それより、だらしないぞ」
「え?」
堪えかねた僕は莎奈匯の格好を指摘する。
はしたない格好を指摘されて初めて気がついた莎奈匯は、慌ててシャツのボタンを手繰たぐり寄せた。顔が赤い。