海愛の見舞いを我慢して三日。僕の携帯電話にメールが届いた。



【復活! おかげさまで完全に風邪治った! 早く蓮に会いたいな】



 会いたい、の言葉にドキリと胸が弾む。



 僕は海愛との約束を思い出し、カレンダーに視線を移した。風邪が完全に治ったら、会うと約束していたからだ。



【分かった。今週の土曜日、また海愛の家に行くから】



 海愛が僕に会いたいと言う。僕だって同じ。海愛には言わないが、それが本音。

 窓の外に視線を移す。季節は変わり、枯れ葉の舞う秋がすぐ近くまでやってきていた。