少しの沈黙。俺が口火をきる瞬間、腰の辺りに衝撃があり、咄嗟に視線をそちらに向けた。





「俺も、ぎゅってする!」





 優だった。俺はその行動に思わず吹き出し、彼女も笑った。そして、優を高く抱き上げた。





「じゃあ、おじさんは優を高い高いしてやろう! 大きくなったなあ、来年からは小学生だもんな」





「うん!」





 じゃれる優の楽しそうな姿を見つめながら、海愛ちゃんは寂しそうに笑って呟いた。





「私も……そろそろ決めなきゃね」