「なんかお前、顔色悪いぞ。大丈夫か?」
那音の言葉に僕は首を傾げる。
「いや、大丈夫だって」
そう言ったものの、那音の言うとおりかもしれないと思った。最近ずっと体調の優れない日が続いている。なにがあっても不思議ではない。
「顏、青いぜ」
「えっ」
指摘され、僕は自分の顔に手を添えた。頬は燃えるように熱かった。
どうやら体調が悪いというのは本当のようだ。
突然、ヒヤリと額に自分の手ではない感触が伝わる。驚いて顔を上げると、那音が僕の額に手を当てていた。
「蓮、これ熱あるぜ。保健室行け」
「まだ大丈夫だっ「大丈夫じゃない」
那音の真剣な声色に僕は言葉を詰まらせる。
「いいから行け」
「……」
それ以上反論できず、僕は重い体を引きずりながら保健室へ行くことになった。