研修医として尊敬する田辺先生の側で働けるようになったのには理由がある。僕がこの病院で研修できるようにかけ合ってくれたのは、他でもない田辺先生だった。先生は快こころよく僕を受け入れてくれた。

 自分の目の届く場所にいれば、万が一の場合に対応することができる。そう言った田辺先生。僕と先生は、一日の終わりに休憩室でお茶をのみながら話すことを日課にしていた。

 話の内容は今日あったことや、僕の体調の変化など様々。この場で、僕らの関係は研修医と医者から患者と主治医に変わる。

 一日が終わり、僕は今日も田辺先生との日課に興じるのだ。