「せいぜい仲良くやれよ」





 珈琲を啜りながら言った僕に那音は驚いた表情を見せた。





「蓮が……普通に笑ってる」





「なんだよ」





「違和感すげーな」





「うるさい」





 会えなかった学生時代を取り戻すかのように、僕らは朝まで語り合った。

 その後、智淮さんは無事に元気な女の子を出産した。鈴音すずねと名づけられた女の子は、元気に成長している。那音と智淮さんは籍を入れた後、毎日忙しそうだったが、それでも幸せそうだった。

 無事に大学を卒業した僕は、その後、望んでいた田辺先生の側で研修医として働き始めた。皮肉なことに、神谷も同じ配属先と知った時は目を疑った。



 僕はいつの間にか、二十二歳になっていた。