「ねえ、露骨過ぎない? 俺は海愛ちゃんを探してたんだよ。あの夜のこと、謝りたくて」
私の背後に立っていたのは、神谷さん。
彼には苦い思い出がある。以前一緒に食事をした時、酷いことを言われた。
それ以来、私は神谷さんとあまり会話をしないようにしていた。
「謝りたい?」
「あの日は酔ってて、つい君を傷つけるようなことを言って……ごめん。羨ましかったんだ。……君が好きだったから」
突然の告白に、私は目を見開いて驚いた。
こんな時、なんと言葉をかければいいのだろう。返す言葉が見つからないまま、私は資料を握り締めながらうつむく。神谷さんは真剣な表情から一変、優しく微笑んだ。
「そんなに真剣に悩まなくていいよ。君と一緒にいられる櫻井が羨ましくて、この間はついあんなことをしてしまったけど、あいつと話したら気が変わったんだ」
私は首を傾げた。
「あいつは本当に君を大切に思ってるんだね。直接話してそれがよく分かったよ。だから、もう心配しないで」
「蓮に会ったんですか?」
神谷さんは私の質問に首を縦に振る。