* * *
放課後、僕の部屋で話し合いは決行された。
「まず、僕から」
「うん」
海愛はのみかけのジュースを机に置き、僕の顔を見る。
「最近、薬の量が増えた」
僕は処方されている薬の袋を逆さにし、中身をぶちまける。
「こんなに……」
「分かってたつもりだったけどさ」
言葉に詰まり、咳き込む。それでも必死に拳を握りながら声を絞り出す。
「僕はもう長くない」
海愛はうつむいてしまった。小さく嗚咽が聞こえる。泣かせてしまった。覚悟はしていたが、いざ涙を見るのはやはりツラい。
「ごめんね、蓮……泣いちゃダメだって、分かってるのに」
健気に現実と対峙する海愛の肩を抱き締めることしか、今の僕にはできなかった。