*   *   *





 カーテンの隙間から射し込む光で目を覚ます。肌寒さでシーツを手繰り寄せると、隣で眠る海愛が唸り声を上げた。





「んん……」





 海愛の瞳が開く。目が合った瞬間、昨夜を思い出し、僕らは同時に顔を背けた。





「ごめん……その、体……大丈夫か?」





「大丈夫。なんで謝るの?」





 海愛は頬を桃色に染めながら微笑んだ。

 返す言葉が見つからないまま、僕は動揺を隠すように髪を乱す。海愛はシーツを纏まとった姿でベッドを下り、窓に向かう。      

 毛布に包まりながら動向を見つめていると、海愛はカーテンをほんの少し開けた。





「蓮、雪だよ!」





 窓の外は真っ白な世界が広がっていた。





「寒いだろ、起きるなら服着ろよ」





 僕は呆れたように溜息をつく。

 素肌にシーツだけを纏った格好で、風邪をひかれてはたまらない。

 海愛はクスリと笑い、再びベッドに潜り込んできた。





「ちょっ……冷たい」





「うわー! 蓮の足、あったかい」





 海愛は体を丸め、温もりを探して僕に足を絡めてきた。





「だから言ったのに」





「ふふふ」





 シーツごと抱き締めると、海愛の冷えた体が僕の体温を奪っていく。





「バーカ」





「えへへ、幸せ」





 海愛は嬉しそうに笑っていた。