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 十二月ともなると、日没は早い。

 街灯に照らされた薄暗い道に浮かび上がる二つの影。人の気配に外灯が反応し、僕らは眩しさに目を細めた。

 家の鍵を開け、海愛を先に玄関へ入れる。真っ暗な家の中に人の気配はない。





「母さんまだ帰ってないみたいだから、先に準備してようか」





「あ、うん! そうだね」





 僕は電気を点けながら靴を脱ぐ。座り込んでブーツを脱ぐ海愛に台所の場所を教えると、僕は先に台所へと向かった。

 買ってきた材料をテーブルに並べていると背後に気配を感じた。振り返ると海愛が台所の入り口に立っていた。





「おいで」





 僕の手招きに海愛は嬉しそうにかけ寄ってくる。





「僕は片づけしてるから、海愛は料理の盛りつけしてくれるか?」





「これ? 分かった」





 海愛はテーブルの上に置かれたオードブルを手に取り、中身を皿に盛りつけ始めた。

 母のエプロンを着る海愛の後ろ姿に、僕は例えようのない感情を覚える。

 一通り準備を終えた頃、母が帰宅した声が玄関から聞こえた。





「ただいまーごめんね、遅くなっちゃって」





 先に玄関に向かったのは海愛だ。





「お、お邪魔してます! クリスマスに呼んでいただけて嬉しいです!」





 ペコリと頭を下げる海愛。母は海愛の身につけたエプロンを見つめ、目を細めた。