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 十二月。僕は海愛と通学するため、いつものように約束の場所へと急いでいた。

 莎奈匯が亡くなったという事実は学校内でも有名な話だった。日頃から素行が悪かった莎奈匯の校内評判はあまり良いとは言えず、莎奈匯の死をふざけた理由で馬鹿にする生徒もいた。そんな光景を目にするたび、必死に殴りたくなる衝動を抑えた。

 風化とは恐ろしいもので、莎奈匯の話題を口に出す者も時間の経過と共に少なくなっていった。それがなんだかとても悲しかった。





「あ、蓮! おはよう」





「おはよう、海愛」





 十字路の角に海愛は立っていた。





「遅かったね」





「ごめん、寝坊した」





「ふーん。蓮も寝坊するんだね! 私なんて、しょっちゅうだけど」





「威張ることじゃないだろ」





「えへへ」





 最近の海愛は、僕を呼び捨てにすることに抵抗を持たなくなったようだ。

 初々しさの代わりに変わっていく関係の変化に時間の経過を感じ、嬉しくなる。