「もう15年も昔の話やけど、玉井くんが俺らのマネージャーをしていたのは本当や。

22、やったか?

玉井くんは大学卒業と同時に俺らの事務所の社員になったんや」

そう答えた荒畑に、3人は顔を見あわせた。

「本当に玉井くんから何にも聞いてないんやね」

そう言った荒畑に、夏々子は悔しさを感じた。

彼らに見下されたような気がしたからだ。

自分たちは宗助の何を知っているんだと、そう言われて見下されたような気がした。

「あたしの方がずっとソウちゃんを知っています!」

悔しさを彼らにぶつけるように、夏々子は言い返した。

「知っている、か…。

何を?

君は」

「夏々子です」

本山の言葉をさえぎるように、夏々子は自分の名前を言った。