「そう言うことじゃないっすよ。

俺、アップルティー好きですよ」

瑛太はそう返すと、カップに口をつけた。

「ただ、どこから別居中の奥さんの情報を手に入れたのかと思って」

そう聞いた瑛太に、
「それは…企業秘密と言うことにしておこうかな」

宗助は微笑むと、カップに口をつけた。

「うん、秋だな」

宗助は嬉しそうに呟いた。

彼とはもう11年のつきあいになるが、未だによくわからなくなる時がある。

(宗助さん、本当は何者なんだろう…)

瑛太は心の中で呟くと、カップの中に息を落とした。

「お待たせー」

夏々子が現れた。