「マスコミの力は怖いと、思いました…」

震える声で呟いた星子に、宗助はハンカチを差し出した。

「主人を殺害した花瓶は、まだ残っています。

あれは…結婚1年目の主人の誕生日に、私がプレゼントしたものだったんです。

主人は私の誕生日に、欲しかった白いワンピースをプレゼントしてくれました。

通夜にあれを着て参列したのは、もしかしたらあの世で主人が見てくれているのではないかと…そう思ったから」

「そうだったんですか…」

宗助は呟くように返事をした。

「ピッキング・カルテットの方たちには、本当に申し訳ないことをしたと思っています。

何の罪もない彼らを巻き込んでしまって…会って、謝りたい…」

星子はハンカチを目に当てた。

「――警察に全てを話して、自首をします」