「あっ、いや…」

宗助の登場に、桑田は慌てている。

瑛太はきつねうどんをすすった。

「ソウちゃん、仕事の電話だったの?」

夏々子は聞いた。

「そうだけど、どうかした?」

宗助は質問に答えると、椅子に腰を下ろした。

「ううん、何でもない」

夏々子は首を横に振ると、鶏の唐揚げを口に入れた。

「そうか、戻ってきたら空気が変わってたから何かあったのかと思ったよ」

宗助はそう言った後、サバ味噌を口に入れた。

とりあえず、宗助は何も話を聞いていないらしい。

当たり前だ。

自分たちが話をしている間、宗助は外で仕事の電話をしていたのだから。