「ソウちゃん、ベーシストとヴォーカリストだけじゃなくてマネージャーもやってるでしょ?

そのうえ作詞も作曲もやってて、さらには社長だってやってる。

眠る時間どころかご飯を食べる時間もないはずなのに、どこから情報を持ってきてるのかなって」

そう言った夏々子に、
「言われてみれば、そうだな…」

瑛太は呟くように答えた。

「だったら、聞けばいいじゃないかよ。

どこから情報を持ってきてるんだとか、いつ眠ってるのかとか、いつ飯を食っているんだとか」

桑田が夏々子に言った。

「聞けないのよ、それが。

聞いたら…あたしとソウちゃんの関係が壊れるような気がするの。

あたしとソウちゃんならまだしも、ベイビー・スターダストも壊れるような気がするの。

ソウちゃんのおかげで、あたしは今ここで生きている訳なんだし」

そう言った夏々子に、瑛太と桑田は返す言葉がないと言うように黙った。