「それは奇妙な話だな」
と、桑田。

「何でだったのかしら…?」
と、夏々子。

「世の中にはいろんなヤツらがいるらしい」
と、瑛太。

「一体何だったのか、僕もよくわからないよ」

宗助が呟いたその瞬間、シャツのポケットの中に入れていたスマートフォンが震えた。

「悪い、ちょっと」

宗助はスマートフォンを手に持つと、椅子から立ちあがった。

早足で店の外へ出て行った宗助の後ろ姿を見ながら、
「仕事の電話、かしらね?」

夏々子は呟いた。

「そうだと思うよ」

瑛太が夏々子の呟きに答えた。

夏々子は持っていた箸を置くと、
「あたし、ソウちゃんがわからなくなる時があるの」
と、言った。

「えっ?」

瑛太と桑田は声をそろえて聞き返した。