田村はすっきりした顔を浮かべると、
「だからピッキング・カルテットの方たちには本当に感謝しているんですよ。

あいつを殺してくれてありがとうって、どこかにいる本人たちにお礼を言いたいくらいです。

そのおかげで、駆け出しのグラビアアイドルのサキちゃんのマネージャーを務めることになったんですよ」
と、言った。

「はあ、よかったですね…」

まさか、そのピッキング・カルテットの方が目の前にいるとは夢にも思っていないだろう。

宗助は心の中でツッコミを入れた。

「まあ、でも」

田村が思い出したように言った。

「あいつに恨みを抱いていた人物なんて、たくさんいると思いますよ。

例えば、ブルータスって言う沖縄出身の芸能人がいましたでしょ?」

そう聞いた田村に、
「ええ、いましたね」

宗助は答えた。