田村の背中を見ながら、宗助は彼の後を追った。

(どこへ連れて行くつもりなんだ…?)

ついたところは、何故かコンビニの前だった。

「これ、絶対に言わないでくださいよ?」

田村が宗助の方に振り向くと、そう言った。

どこかで聞いたことがあるセリフだなと、宗助は心の中で思った。

「私、実はピッキング・カルテットの方たちに感謝しているんです」

田村が言った。

「はあ…?」

宗助は訳がわからない…フリをした。

「感謝してるって、恨んでいるの間違いじゃないんですか?

あんな優しい方を殺されて」

首を傾げた宗助に、
「いいえ、お礼が言いたいくらいですよ」

田村の顔はどこかすっきりとしていた。