「何だ、一体」

宗助は訳がわからないと言うように呟くと、お焼香をあげに向かった。

お焼香をあげ終わると、
「玉井宗助さん、ですよね?」

後ろから声をかけられて振り向くと、小太りの眼鏡をかけた男がいた。

「そうですけど、あなたは?」

質問を投げた宗助に、
「東サダオのマネージャーをしていました、田村と申します」

田村は頭を下げた。

「これはどうも、ご丁寧に」

宗助は頭を下げた後、名刺を出そうとしたがやめた。

今回の事件が、相当心に痛手を負っている。

「あの、東とどんな関係で?」

田村が小声で宗助に訪ねた。

やはり、そう質問をしてきたか。

当たり前だ。

自分と生前の東に、これと言った関係がない。