「俺が戻ってくるのが遅かったら死にかけたって言うのに、何をしているんだよ…!

自分のこともロクに考えないで、何をしているんだよ…!」

桑田は呼吸をした後、
「あんたのバンドに入るよ」

宗助に言った。

「――えっ?」

宗助が驚いた顔をする。

「あんたの元でドラムをたたいてやるって言ってんだよ!

俺のせいであんたに死なれたら困るんだよ!」

早口でまくし立てるように言った後、指で目頭を押さえた。

「そうか」

宗助はそう返事をした後、桑田に手を差し出した。

「よろしく、ヤス」

そう言った宗助に、
「よろしくお願いします、宗助さん」

桑田は宗助と握手を交わした。

 * * *