「玉井さん!」

そう言って宗助の前に現れた桑田を、夏々子と瑛太が見つめてきた。

「桑田くん…」

驚いたと言うように名前を呼んだ宗助に桑田は駆け寄った。

バキッ!

乾いた音が、この場に響いた。

ドサッ!

宗助が地面に倒れ込んだ。

瑛太が夏々子を守るように自分の後ろに隠した。

夏々子は彼の後ろから顔を覗かせた。

「――アイタタタ…」

桑田に殴られた頬を手で押さえながら、宗助は躰を起こした。

「何をやってるんだよ、あんたは!」

宗助に向かって、桑田は叫んだ。