宗助の額にそっと手を当てると、
「熱ッ!」

桑田は驚いた。

「えっ、ウソだろ?」

ズボンのポケットから携帯電話を取り出すと、
「もしもし、急患です!

救急車をお願いします!」

早口でまくし立てるように言った。

桑田が呼んだ救急車によって、宗助は病院へと搬送された。

「いやあ、間にあってよかったですよ」

宗助を病室へ入れた後、医者が桑田に言った。

「えっ、何がですか?」

訳がわからなくて聞き返した桑田に、
「彼、インフルエンザになっていたんですよ。

それも質の悪いA型の」

医者が答えた。